二転三転するダローの死の真相、ついに決着か!?


日本時間2月24日の昼、マジックキャッスルにてマジシャンの遺体が発見されたとの一報が入った。最初はまだ名前が報道されていなかったがために前にあった「アシスタントの事件」のようなそれほど有名でない人の話かと思った(あれも結局は事故だったが)。

その数時間後、マジックキャッスルで見つかった遺体がレクチャラーで有名なダローらしい(?)とする情報がツイッターで流れ始めた。それからまもなく、マジックキャッスルの公式Facebookアカウントからダローの死の知らせが舞い込んできた。

(この中で彼の死因が現地警察によって「自殺」と判断されたことが書き記されている)

当時の報道では、ダロー・イーストン(Daryl Easton)は頭に袋を被り、下着姿の状態でクローゼットの中で首を吊っていたというショッキングな情報が拡散された。

しかし、これは誤報だと訂正され、彼は当時服も普通に着ていて、発見場所もクローゼット(closet)ではなく、楽屋(dressing room)であるということが後に伝えられた(つまり、誤訳ではなくソースそのものが間違いで、ゴシップサイトにまんまと踊らされたというところなのか)。

当初、現地警察は自殺の可能性を視野に捜査を進めていたが、海外メディア「REUTERS」が翌日にロサンゼルス郡検視局(Los Angeles County Medical Examiner’s Department)によって今回の彼の死が事故によるものだと判断。この記事は日本のツイッター各所でも翻訳ツイートのソースとして使われ、ダローの自殺報道は終息するかに見えた…。

しかしなら、どこか腑に落ちない。確かに誤報はいくつかあったものの、頭に袋(with bag over his head)を被り、首を吊って、それでも事故って。もちろん、英語では「hanging」としか記述されておらず、ロープで首を吊ったのか、もしくは映画の「ファイナル・デスティネーション」のようにまさしく不慮の事故としか言いようがない状況なのか、こちらとしては一切情報入ってこない。そのため、考えようによっては、何らかのマジックの練習中に起きた事故なのではないかと妄想を膨らませることだってできる。(それはそれで自殺の可能性高しと最初に報道されるのもどうかとも思うが)

そんな考えが頭の中で悶々とひしめき合っていると、ジニーフォーラムにて、ある投稿が目に入ってきた。それはロサンゼルス郡検視局の公式検視報告書のオンラインデータベースだった。

そこにはダロー・イーストンについて、はっきり「自殺」と明記されていた。

その後、各メディアがダローの死の真相について次々と報道された。まとめると、こうだ。

2017年2月24日(アメリカ時間)、「The Magician’s Magician」としてマジシャンにマジックを教えることで有名なダロー・イーストン(61歳)がマジックキャッスルの楽屋のクローゼット3月22日の記事参照)で首吊り状態で発見された。発見当時、彼は頭に袋を被り、下着姿だった(下着姿のくだりは元々警官の証言によるものだが、運営関係者は服はちゃんと着ていたと話し、いまだ情報は錯綜している)。その後、救急隊員が駆けつけるも、その場で死亡を確認。現地警察は自殺の可能性が高いと判断しつつも、検視官に死因の特定を依頼した。これについては、遺体の状況があまりに不自然すぎるのと同時に、当時マジックキャッスルでマジックを披露することになっており、わざわざ今夜ここで自殺するにはいささか疑問が残ったからだ。

ところが、検視の結果、検視局は自殺と断定。「Hollywood Life」によれば、彼は何年もの間、うつ病に苦しめられていたようだ。

なお、一時期、ダローの関連報道について、自殺から事故へと話が切り替わるニュースが流れたが、これについてデイリーメールは検視局が日曜日の朝に報告書を修正する予定だったが、その前日に書かれた暫定レポートが正式発表として誤って報道されたとのこと。

最後に、実は同日、メンタリストのボブ・キャシディ(Bob Cassidy)も亡くなってしまった。詳細な情報は今後発表されるだろう。彼の著作は、ダローほどあまり日本では浸透していないが、メンタル好きな私としてはいまだに信じられない。最近もQ&Aパフォーマンスに関する作品を発表していたし、まだまだ明かされていない秘密があるのではと、心躍らせていたものだ。

ひどく悲しい。