「世界で最も稼いだマジシャン2017」発表、首位は2年連続であの男


昨年、経済誌フォーブスが「世界で最も稼いだマジシャン2016」を発表し、異色のランキングとして一度きりで終了かと思われていたが、このほど2017年版が公開された。

The World’s Highest-Paid Magicians Of 2017: David Copperfield Leads With $61.5 Million | Forbes
https://www.forbes.com/sites/hayleycuccinello/2017/10/24/the-worlds-highest-paid-magicians-of-2017-david-copperfield-leads-with-61-5-million/#290440dc322c

以下の金額は2016年6月1日から翌年6月1日までの収入のもとに、エージェントやマネージャーなどの業界関係者からの情報によって推計したもの。税金及びその他手数料を差し引く前の金額となっている。

第1位:デビッド・カッパーフィールド 6150万ドル

前回に引き続き、デビッド・カッパーフィールドが首位を飾った。万里の長城を通り抜けたり、自由の女神を消したりなど伝説的なイリュージョンを行ってきた彼は、12ヶ月の間にラスベガスで621回もの公演を行ったことが主な収入源と見られている。

12才のとき、S. A. M.(全米マジシャン協会)に最年少入会が認められた本名デビッド・セス・コトキン(David Seth Kotkin)はおよそ50年の長きに渡って、マジック業界に携わってきたことが要因だと考えられる。

2016年12月には同誌で「アメリカ人セレブの保有資産ランキング」が発表された際、タイガー・ウッズやマドンナらを差し置いて、第5位にランクインし、総資産8億5000万ドルと推定されていた。

第2位:ペン&テラー 3050万ドル

ラスベガスで計254回の公演を行い、一夜にして10万ドルもの収入を得ることもあったという。つい最近には冠番組「Penn & Teller: Fool Us」の第4シーズンの放送が終わり、次のシーズンが更新されるかは未定。

第3位:クリス・エンジェル 1450万ドル

昨年は19万ドルだったのに対し、今年は5万ドル減となる1450万ドルという結果になったクリス・エンジェル。

彼はルクソールホテルで定期公演として週10回こなしているが、それ以外にプライベートな仕事や新しいテレビ企画「Trick’d Up」を手掛けていたことが公演日数の実質的な減少に繋がったと分析。

現に、この12ヶ月の間で「The Supernaturalists」の公演が行われなかったばかりか、ルクソールとの10年契約は2018年10月に終了することがわかっている。

今年7月には業界誌「Variety」のインタビューで、『自分にはたくさんの機会と選択肢があって、まだ何をするかは決めてないんだ』と語っており、今後彼がどのような道へ進んでいくのかは謎のままだ。

第4位:ザ・イリュージョニスト 1150万ドル

キャストの入れ替え制を導入した舞台シリーズ「The Illusionist」は今年も世界中の都市でツアー公演が敢行された。あるときには一週間で興行収入240万ドルを稼ぎ出し、ブロードウェイ史上、最も成功したマジックショーに選出された。

第5位:ダイナモ 900万ドル

世界で最も稼いだマジシャ8人の年収を合計すると、今年は約1億4700万ドルとなるが、これは前回と比べて1000万ドル低い。しかも、前回はトップ7人を選出したが、今年は6位タイが2人いたため、8人合わせての結果だ。

これはトップ8人の多くが昨年よりも収入が減ったためであり、特に減収が目立ったのが前年度比50%減となるイギリス出身のダイナモだ。

昨年はツアー公演「Seeing Is Believing」が大成功を収めたのが要因となり、1800万ドルを稼いだが、今年はオーストラリアのアリーナ公演とFCバルセロナとパートナーシップ契約が主だった収入と見られ、昨年の年収を維持するには至らなかった。

第6位:ダレン・ブラウン 700万ドル

毎年新作を出し続けている舞台にて「Miracle」のヒット後、今年はアメリカでブロードウェイデビューを果たし、無事成功を収めた。他にも、通算5冊目となる自著「Happy」を出版したり、VRアトラクションを監修したりなど自身の肩書きにとらわれない活躍を見せた。

第6位:マイケル・カルボナーロ 700万ドル

北米ツアーが成功し、更新未定とされていた冠番組「Carbonaro Effect」が第4シーズンに入ってリニューアルされた。

第8位:デビッド・ブレイン 600万ドル

新たなテレビ企画を手掛け、今年からは初の北米ツアーを敢行したスタント系マジシャン、デビッド・ブレイン。Googleカンファレンスなどのプライベートな仕事を依頼するには6桁の数字が動くといわれている。

ところが先週、元モデルのナターシャ・プリンスが2004年にブレインにレイプされたと告発したのだ今回のツアー公演にどのような影響があるかは不明だが、弁護士からの声明によれば、『ブレイン氏は報道された事実を否定しており、もし警察による介入があれば、彼は全面的に協力するつもりだ』と述べている。

マジック業界にも潜む男女格差

マジシャングループ「ザ・イリュージョニスト」(第4位)には何人か女性パフォーマーがいるが、女性単独のマジシャンは今回誰もいなかった。

同グループに所属し、25年のキャリアをもつジンジャー・レイ(Jinger Leigh)はフォーブスに対して、「悔しいとは思っている。でも、大丈夫よ。事態はいずれ改善される。もし改善されなくても、私がいれば、きっと誰かが行動を起こすはずよ」と楽観的な見解を示している。