10月26日、ソーシャルニュースサイト「Reddit」が企画した一般ユーザーが著名人に直接質問できる「AMA(Ask Me Anything?:何か質問ある?)」にギャンブルテクニックの名手、リチャード・ターナーが登場した。
We are director Luke Korem and card mechanic/card magician Richard Turner from the new documentary DEALT | Reddit
https://www.reddit.com/r/IAmA/comments/78ok1l/we_are_director_luke_korem_and_card_mechaniccard/
かつてダイ・バーノンに「リチャード・ターナーのカードさばきは世界中の誰にもマネできない」「私の知る限り最も優れたテクニックを持つカーディシャン」と言わしめた人物であり、特に彼の代名詞にもなっているセカンドディールには今もなお強い執着心を見せている。
暗黒街にたたずむカウボーイ姿の男こそが若きリチャード・ターナーその人(上の写真)。一時はその腕を買われて、ギャンブルの元締めをするマフィアに付け狙われたこともあるそう。
類まれな指先の感覚だけでなく、空手6段の屈強な体を持つ彼はなんと法的に視覚障害者として認められている。
幼い頃、バードショット網脈絡膜症を発症し、年を重ねるごとに視力が奪われていった。そんな困難をもろともせず、彼がいかにして人々を魅了し、現在の地位を確立したのか。
そんな彼の半生を追ったドキュメンタリー映画「Dealt」が今月に入り、アメリカ国内の劇場で一般公開が封を切った。
今年3月には映画祭各所でプレミアム上映され、SXSW映画祭2017ではドキュメンタリー部門の観客賞を受賞。
これまでマジシャンにスポットライトを当てたドキュメンタリー作品は何本かあったが、今回はまた違った年季の入りように注目が集まっている模様。
DEALT – Official Trailer [HD] – Richard Turner Documentary | YouTube
Q:アードネス以外に他に何から影響を受けましたか?また、マスターするのが一番難しかった技法は何ですか?
A:影響を受けたのはダイ・バーノン、チャーリー・ミラー(Charlie Miller)、トニー・ジョルジオ(Tony Giorgio)、あとエド・マルローだね。彼らとは何年も共に過ごしたよ。
それと一番難しかったのは「Side sweep second」だね。
Q:セカンドディールをマスターするのに最終的に何時間くらいかかりましたか?
A:えっと… 3年だね。1日8時間を、週7日続けてね。今まで観客に500万回以上見せているから、実際に行った回数は合計で1億回は超えてるし、今もまさにやってるよ!
Q:「Fool Us」でペン&テラーを煙に巻いたことについて、当時はどのくらい自信がありましたか?
A:98%はあったね。でもかなり緊張していたよ。
Fool Us – Richard Turner Thoroughly Astonishes Penn & Teller | YouTube
Q:あのトリックをマスターしてからどのくらいで観客の前で見せましたか?
A:残念ながら、あのトリックは40年以上かけて習得した技術の組み合わせだったんだ。あれをやるのを決めてから、1つのデモンストレーションを完成させるに2ヶ月くらいかかったよ。デックを2時間ごとに捨ててたからね。
Q:知っている人の中で誰が一番ですか?フォーティー?ミラー?それか他の人?あと、サンボイって誰ですか?
A:彼らは全員素晴らしいよ。スティーブ・フォーティー(Steve Forte)は天才の中の天才だ。ダイ・バーノンやチャーリー・ミラーもべらぼうに上手い。
ブルース・サンボイ(Bruce Samboy)は東海岸のカジノ業界で31年のキャリアを持つGaming Regulatorで、(わたしを含め)フォーティーの旧友だ。
Q:あなたは自分のことをマジシャンだと思いますか?
A:自分がどんなマジックをするかを考えることはあるよ。でも、スライハンドのカテゴリーより下かな
Q:周囲の状況に気を取られて、演技が思うように運ばなくなったことはありますか?もしあれば、そのときの経験を教えてください。
A:それなら何度か経験したことがあるね。1987年にナイトクラブで大勢の前で「Double Card Routine」をやっていたときだった。
そこでは会場がずっとガヤガヤしていて、観客もルーティンに集中するのに必死だった。キツい現場だったけど、幸いにもそこでは無事に終えることができたよ。おそらく、演技の3分の1はちゃんと見ていてくれていたと思う。
当時のことを考えると、今でも気が滅入るけど、そういうときは大概気にしないようにして、ただ前に進むだけだよ。
あとマジックキャッスルでは、デックを裏向きにしていたと思ったら、実は表向きだったってことがある。
最初、リフルシャッフルコントロールから始まって、テーブルファローをしてカードを揃えると、観客の方を向いて、こう尋ねたんだ。「カードって表向きになってる?」って。
そしたら、観客役のスティーブ・フォーティーが「まさしく!」って言うもんだから、わたしは「なら、誰か教えてくれればいいのに!!」って返したよ。そこには他にもデレック・デルガウディオやジェイソン・イングランド、ブルース・サンボイもいて、ちょっと恥ずかったね。