トランプには過去に幻の5番目のマークが存在していた!?


トランプについてこれまで様々な逸話が囁かれてきた。トランプの4つのマークそれぞれの意味はもちろんのこと、絵札の顔の向きが何を意味するのか、またトランプの枚数と日数の関係などがそうだ。

そんな中、アメリカの情報サイト「mental_floss」では、トランプにはかつて幻の5番目のマークが存在していたという史実が紹介されている。

This Was Once the Fifth Playing Card Suit
http://mentalfloss.com/article/75746/was-once-fifth-playing-card-suit

5番目のマークが初めて登場したのは1930年代。スペード、ハート、クラブ、ダイヤに加えて、ワシを象った緑色の「イーグル」というマークだった。(イングランドにおける王家のシンボルを表現している)

しかし、なぜ途中から5番目のマークが誕生したのだろうか?トランプ史研究家のアンドリュー・ウォード(Andrew Ward)によれば、ウィーンの心理学者、ウォルター・マルセイユ(Walter Marseille)がトランプゲームのブリッジをより複雑にし、ゲーム性を高めるために5番目のマークを取り入れたことが発端とされている。

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当時、こうした新ルールはブリッジの愛好家にも受け入れられたようで、1938年には「How to Win at Five Suit Bridge」という指南本まで出版された。また、ポーカーゲームでも使われた過去があり、ブリッジ以外のトランプゲームにも影響を与えるに至った。

lifemagazine

それでも、第二次世界大戦の終わるころにはイーグルのトランプはいつの間にか人々の記憶から忘れ去られ、それほど長続きしなかった。

結局のところ、慣れ親しんだゲームを少し難しくすることで新鮮さを取り戻したものの、最終的にはいつもの定番へと自然と回帰していったということなのだろう。