プロマジシャンとしてサイトを立ち上げる際に考慮すべき15のポイント


プロマジシャンとして活動するにあたり、必要になってくるものとして最初に思いつくのはやはりネタなのだろうが、それ以前に自身の存在を人々に知ってもらわなければ何も始まらない。とはいえ、サイトを立ち上げる際、マジシャンだからこそ気をつけるポイントなどあったりするのだろうか。

そんな疑問に対し、「Magicgizmo」では、マジシャンのサイト構築の秘密と銘打ったコラムがある。なお、原文サイトには項目が15個あるが、そのままでは使えない項目が数点あったため、ここでは一部割愛している。

今回のテーマは私自身も関心のあるものであったため、内容に目を通した後、海外の職業マジシャンのサイトや日本のサイトを覗き、自分なりに色々と考えてみた。そこで、その代わりといってはんだが、14と15の項目については、新たに私個人の見解を挿入した内容になっている。

15 Things Web Site Secrets for Magicians| Magicgizmo
http://magicgizmo.com/home/Business-Side-of-Magic/12-web-site-secrets-for-magicians.html

1: オンラインの予約フォーム

予約フォームにはメールアドレス、名前、用件といったお問い合わせフォームによくあるデフォルトのままで放置するのではダメだ。それこそネット予約という言葉の通り、希望する日付や会場の住所など、より細かな情報を考えずに打ち込めるようデザインしておくべきだ。また、FAQ(よくある質問)を設置したり、24時間以内に返信することを明記したりすることで、潜在的な顧客が抱える不安を軽減させることができる。

2: 百聞は一見にしかず

サイトにはパフォーマンスを行っている写真をたくさん散りばめることだ。特に観客が映り込んでいる写真を積極的に取り入れるようにすること。その際、サイト上にあげる写真の使用許可も事前に確認しておくようにしよう。

3: 説得力のあるキャッチコピー

サイトにはあなたを雇うべき理由について何か説得力のある理由を伝えること。どのような差別化が為されているのか。自分のパフォーマンスは何がどう特別なのか。独特のユーモアや変わったマジックができるなどの情報を意識して組み入れるようにしよう。

4: 自惚れたキャッチコピーは控えること

サイトでは、よく「デビッド・カッパーフィールドになりたい」といった言葉が目に入ることがあるが、あなたもそれに近いことをしていないだろうか?

そういった無駄に夢を語ったキャッチコピーを見る度、嫌気がさす。あなたについて何も知らない人間がいきなりそんなことを言われても、時間が無駄になるだけだ。確かに、私たちにはそれぞれにそうした空想めいた夢を抱えているものだが、初めてサイトを訪問する人にとっては全く関係のないことだ。例えば、AmazonやeBayのサイトを覗いてみてもわかるとおり、彼らは夢を語ったりはせず、顧客の時間を無駄にすることはまずない。

5: 動画を埋め込む

サイト上に自身のパフォーマンスを映した複数の動画を挿入すること。これには動画編集の知識が必要になってくるだろう。もしかしたら、専門の人間を雇った方がいいかもしれない。完成したら、何人かのマジシャンに動画を見せて、より映像としての完成度を高めてほしい。

6: お客様の声

「お客様の声」というのは文章や音声、さらには動画の中に埋め込むことができる。無論、そのほとんどが満足度に関する内容であり、そうした情報は実際に仕事をしたお客様から自然に拾い上げればいい。また、保険として、彼らが動画やオーディオクリップに出演する許可を取った上で、簡単なリリースフォーム(取材承諾書)に署名させておくようにしよう。

7: SEO対策

サイトの成功にはGoogleのページランクに大きく依存している(日本もほぼ同じ)。ページランクとは、検索結果によって上から何番目に表示されるかを言い表している。

まず、誰かがあなたのサイトに辿り着く際に使われるであろう、使用頻度の高い検索ワードが何かを考えることから始める。例えば、「マジシャン」と活動するエリアである「都市名」という検索ワードで最適化を図る。南カリフォルニアならば、「ロサンゼルス_マジシャン」や「L.A._マジシャン」、「南カリフォルニア_マジシャン」で最適化が望まれる。すべてのキーワードを使うと、自身のウェブページが上位に表示されるのが理想だ。(Googleでは、検索ワードだけでなく、検索者の位置情報からもピックアップしてくれることもある)

また、検索ワードはページのURLの内容と一致していると尚良い。例えば、「ロサンゼルス_マジシャン」と検索した場合、ページのURLに【http://marvellothemagicalclown.com/aboutme/】となっていたら、それほどランクは高くない。しかし、【http://marvellothemagicalclown.com/los-angeles-la-comedy-clown-magician/】としていた場合、URLに埋め込まれた潜在的なキーワードによって最初のURLよりも上位に検索結果が表示される。

こうしたメタデータは検索結果に自身のページをより上位に表示するためには大切なことだ。ぜひとも、自身のサイトのすべてのページにメタデータが組み込まれているかどうかを確認してみてほしい。

8: 競合相手のサイトを確認する

常に自身の競合相手となるマジシャンが自分たちのウェブページをどのように構築しているかを確認してみよう。そこから自分の一番好きな要素をピックアップし、自らのサイトに取り入れるようにしよう。

9: プロを雇う

ウェブ技術やアーティスティックなものに長けた人間が必要だ。もしあなたが完全に後者のカテゴリーに属しているなら、ぜひとも誰か専門の人間を雇うようにすること。

10: 独自ドメイン&広告のないホームページを作る

よくある無料で作れるようなウェブサイトでは、プロフェッショナルなイメージを伝えることはできない。現在、ホスティング(レンタルサーバー)やドメイン名の取得は非常に安く、一般的な無料サービスよりもはるかに優れている。また、Yahoo!やHotmailなどのアドレスよりも独自ドメインの電子メールを使うように心がけてほしい。

11: CTA(Call to Action)

通常、潜在的な顧客はウェブサイトのデザインに導かれるようによく何らかの行動を取る。例えば、電話番号を調べて問い合わせてみたり、オンライン予約を行ったりがそれにあたる。ほとんどの顧客がコンタクトを取る手段として、予約フォームを選ぶことがわかっている。そのため、顧客を予約フォームへ導いた後にはより多くの情報を書き込んでもらい、潜在的な顧客の不安を打ち消すよう努める

12: Webプレゼンスを徐々に確立する

基本的な内容から完璧な1つのサイトに仕上がるまで改良を幾度となく繰り返し、時間をかけるようにしよう。それこそ一気に作り替えようとはせず、またいきなり全ての要素を確立してから始めようとは考えないことだ。仮に動画やお客様からの声などの推薦状等がまだ完成していなかったとしても、それは後からでもいくらだって追加することができる。

13: 頻繁に更新する 

特に更新もされずに放置されていると、サイトに活気が見られず、本当に今でもやっているのかと顧客は不安を覚えてしまう。それに、新しいコンテンツを更新し続けていくことは検索エンジンによりピックアップされやすくなる一要素でもある。

14: 無意味なアニメーション

「マジシャン」という特殊な肩書きを前面に押し出したいゆえなのか、クリックしたり、スクロールするたびにページ上に変なアニメーションが出現するサイトを時々見かける。自分は見ていておもしろい演出だと思うのかもしれないが、あんなものはただただ見えにくく、うっとうしいだけだ。潜在的な顧客が本当にこのマジシャンでいいのかを見極める際に2、3度サイトを訪問するユーザーの身にもなってほしいものだ。

15: メディア出演歴の書き方

日本のマジシャンのサイトを覗いていてよく思うのは皆メディア出演歴が不誠実すぎることだ。番組名に触れておきながら、それにいつ出演したのかが大概触れられていない。私の勝手な推測だが、理由はおそらくテレビ出演する機会が恐ろしくないばかりに「TV出演していなかったブランク期をうやむやにしたい」、「『年』を無記入にすることでいかにも最近出演したかのような印象を与えたい」といった願望が背後に隠れているのかもしれない。

それはそれで難儀な問題だが、少なくとも考えて書いてほしい。例えば、出演歴が過去に3つほどあったとしたら、「20XX年ごろから『△△△』をはじめ『☆☆☆』『▽▽▽』などに出演」と書くことができる。もしくは、「『△△△』『☆☆☆』など10年にわたり、50を超える番組に出演」といったようにまとめて書くと、ブランク期にはさして触れず、意識することもない。

もちろん、きっとあえてそう書かない理由が他に何かあるのかもしれないが…。