どんなにニッチな業界にもそれなりの団体があり、そこでは誰が使うんだと言わんばかりの統計データがあるものだが、ことマジックに関してはどうもそれが見当たらない。
そこで今回、男女1000人を対象にアンケートを取ってみた。
【調査概要】
集計期間:2017年8月14日~8月16日
調査方法:インターネット調査
調査対象:20代~50代の男女
有効回答数:1,000人
【わかったこと】
◆全体の6割がマジックを年に1回程度以下の頻度でしか見ていない
◆マジックを生で最もよく見られているシチュエーションは「路上」
◆全体の4人に1人がマジックを生で見た経験がある
◆全体の6割がマジックを積極的にもっと見たいと思っている
全体の6割がマジックを年に1回程度以下の頻度でしか見ていない
マジックを見る頻度を聞いたところ、年に1回程度(25.1%)が最も多く、それよりもマジックを見る頻度が少ないと答えたグループ(2,3年に1回程度/3年より長い間、見ていない/全く見ない)は全体で41.3%を占めた。
これらを合わせると、全体の66.4%がマジックを年に1回程度以下の頻度でしか見ていないことがわかった。
(週に1回程度:0.4%/月に1回程度:4.1%/2, 3ヶ月に1回程度:8.8%/半年に1回程度:20.3%/年に1回程度:25.1%/2, 3年に1回程度:15.8%/3年以上見ていない:21.3%/全く見ない:4.2%)
マジックを生で最もよく見るシチュエーションは「路上」
マジックをよく見るシチュエーションを8つの項目(テレビ、インターネット、飲食店、公共施設(学校や公民館など)、路上、ホテル、マジックバー、その他)から複数回答(MA)で聞いてみた。ここでは、これまでマジックを見た経験がないと答えた回答者(n=29)を除く、971人が対象となる。
案の定、最も多かったのは「テレビ」(88.7%)だった。2位は「インターネット」(12.9%)、続いて3位は「路上」(11.5%)となり、こちらは2位と1.4%の僅差だった。また、4位以下の5つのシチュエーションはどれも横ばいで、マジックを生でよく見る場所は「路上」が最も多いことがわかった。
全体の4人に1人がマジックを生で見た経験がある
なお、今回の調査をもとに、マジックをよく見るシチュエーションとして、テレビやインターネット以外の項目を答えた人、いわゆるマジックを生で見た経験がある人を抽出してみたところ、全体の4人に1人(25.7%)がそれにあたることがわかった。
ただし、これは直接「マジックを生で見たことがあるか」を聞いたわけではないため、間接的な分析(ある種の最低値)に過ぎないことを留意しておきたい。
全体の6割がマジックを「積極的に」もっと見たいと思っている
今後マジックを見る機会があれば、もっと見てみたいと思うかという質問に対して、全体の6割が「とてもそう思う」「ややそう思う」と積極的な回答を示した。
(男女の間で顕著な差は見られなかったものの、消極的な回答を抽出した際、女性の方が約1.5倍多かった)
一方、「あまり思わない」「全く思わない」と消極的な回答を示した人のうち、前述の「マジックを年に1回程度以下の頻度で見ているグループ」(n=664人)で抽出してみたところ、全体(n=183)の83.6%がそれにあたることがわかった。
これを受けて、この質問では、今現在マジックを見ている頻度に不満があるのかどうかによって、意見が左右されるのではないかという仮説を立てた。言い換えれば、普段マジックを見る頻度が低い人ほど、もっと見たいと思う傾向にあるのではないかと考えたのだ。
そこで、マジックを見る頻度に対して「積極的回答&消極的回答」とで二分させ、それぞれに抽出してみた。
その結果、「週に1回程度/月に1回程度/全く見ない」と回答したグループは母数が少なかったものの、マジックを見る頻度が低い人ほど消極的な回答を示し、また見る頻度が高い人ほど積極的な回答を示す傾向にあることがわかった。
マジックに関するアンケートというのは、経験的に知っているという”事実”からこれまであまり求められてこなかったのかもしれない。
だからといって、そんな当たり前のことさえ軽視され続けるのはどこかおかしいと思う。もはや、根拠なく何かを語るのがこの業界の真髄(体質)であるかのようだ。それはそれで耐え難い。(他にも似た調査がどこかにあればいいのだが)
無論、今回のような1度きりの調査をそのまま鵜呑みにするも、また危険だ。よくメディアなんかでやってるアンケートもの程度の捉え方が一番健全なんだろう。