まず、トランプの組み合わせを知るために、簡単な例からその計算方法を解説しよう。
例えば、「A, B, C」の並びの組み合わせを知りたいとき、それが6通りあることがすぐにわかる。なぜなら、対象とする数が「AとBとC」の3つであるため、「3×2×1＝？」という階段状に1つずつ小さい数を掛けていくことで、全部で何通りあるかを計算することができるからだ。（＝階乗）
また、ESPカード（丸、十字、波、四角、星）の全ての組み合わせでは、「5×4×3×2×1＝120」となる。
では、52枚のトランプの場合はどうなるのか？（52×51×50×49×48×…×1＝？）
答えは約8×10の67乗通り。これは8の後に0が67個続くことを意味している。 単位で表すと、約8000不可思議通り。
正確にいえば、80658175170943878571660636856403766975289505440883277824000000000000通り。
ちなみに、位である「不可思議」は無量大数の1つ前の位だ。
ロト6でさえ、全ての組み合わせは約609万通りしかなく、12桁の電話番号でも、約4億8000万通りしかない。地球の原子の数は4×10の50乗と言われており、それよりも大きい数でもある。
たとえれば、近い将来、宇宙人が地球を征服し、70億人もの人々が毎日1000回もデックをシャッフルしては、その中身を撮影し、記録していく…なんていう地獄の作業に身を投じたとしても、数万年かかるということだ。また、言葉を換えれば、トランプが発明されて以来、人類はまだトランプのすべての組み合わせを発見できていないということにもなる。
もしかしたら、これらの喩えをもっとロマンチックな言い回しに作り変えることで、演技のフィナーレなどに活用することができるかもしれない。