マジシャンとして名刺を作る上で考えておくべき9つの戦略


しばらくマジックをやっていると、交流会などで時折名刺を求められたことはないだろうか。そして、いざ名刺を作ろうとするも、マジシャンとしてクリエイティブなイメージをそのまま名刺に落とし込むべきなのか迷った経験はないだろうか。実際のところ、名刺作りにおけるマナーは「マジシャン」というカテゴリーにも適用されるべきなのか。

そんな悩みに答えるかのように「Conjuror Community」では、マジシャンが名刺を作る上で考えておかなくてはならない9つの戦略について解説している。

Magician Business Cards – How to make your business card lead to gigs! | Conjuror Community
http://conjuror.community/magician-business-cards-marketing/

名刺の目的とは、仕事を依頼するときに連絡を取れるようにしておくことに尽きる。そのために、名刺には次の3つの情報を最低限入れておかなくてはならない。

1. 名前と職業

名刺とは、自分が何者であるかを表したものであり、情報の最も基本的な部分は自身の名前と職業を明らかにすることに尽きる。

もし、あなたがマジックの特定のジャンルに特化していた場合、名刺の中でそれについて言及しておくことを勧める。例えば、クライアントが結婚式のためにマジシャンを探していた場合、単に「マジシャン」と書くよりも、「ウェディングマジシャン」としていた方が潜在的に信頼関係を構築することができるからだ。また、様々なジャンルで仕事をしている場合、その分野ごとに小さく書いておけばいい。それを見た潜在顧客はあなたがそれに特化した人間だと映るだろう。

2. 電話番号

 

電話は見込み客があなたへ連絡し、仕事の依頼についていくつか質問するために最も簡単な方法だ。

日本では、携帯料金の契約に様々なプランが用意されており、携帯会社によって自分の活動スタイルに合ったプランを選び取ることができるはずだ。

3. メールアドレス

理想として、連絡先のメールアドレスが独自のドメインであることが望ましい。例えば、「contact@simonmagic.com」や「simonmagic@yahoo.com」のようなメールアドレスはプロマジシャンとしての意識があることを示すことができる。こうした独自のドメインはGmailなどで無料で入手することができる。

4. 百聞は一見にしかず

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顔写真はあなたが何者で何をする人なのかを伝えることができる。

例えば、イベントなどで名刺交換をした際に、クライアントはあなただけでなく、1日に色んな人達と会っている。そのため、その日に会った人の顔を全て覚えておくことはできないが、名刺に顔写真が挿入されていれば、その時の情景を思い出すのに一役買うことができる。

また、クライアントがその名刺を周りの人に見せれば、同僚や家族があなたを呼ぶ可能性も生じる。それゆえ、キレイに、かつ本格的に見えるように注意すること。

5. ウェブサイト

第一印象が良かった場合、クライアントは好奇心から名刺に書かれたウェブサイトを覗いてみようと思うはずだ。そこにパフォーマンス動画や過去のクライアントの反応などを盛り込んだ映像があれば、クライアントへの不安を打ち消し、新たな契約に繋げられる可能性が高まる。

6. リアルな会社であるように見せる

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もし、自分専用のロゴがあるのだとしたら、それを名刺に書き入れることを勧める。ロゴによって、権限を印象づけ、さらに実際の企業であるという考えを植え付けることができる。言い換えれば、クライアントの目によりプロらしく映る。

7. より少ないことは、より豊かなこと

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タイプライターを彷彿とさせるような変わったフォントはオンライン上でいくらでもダウンロードできるし、スライリッシュなフォントは非常に魅力的に見えるだろう。しかし、冒頭でも述べたように名刺の本来の目的は情報を容易に読み取ることだ。色々なフォントを繰り返し試し、少しでも不安を持つようなら、それらのフォントは避けるようにしてほしい。

8. 名刺を捨てさせない方法

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名刺は90%の確率で捨てられてしまうため、人々が残しておきたいと思う名刺を作らなければならない。ここで忘れてはならないのが、マジシャンはアーティストだということ。そのため、名刺にクリエイティブさを盛り込むことは理にかなっている。名刺をアートの一部として、相手に渡すことはクライアントに大きな印象を与え、それをずっと持っていたいという意識を高めることに繋がる。

以下では、そうした意識を高める2つの方法を紹介する。

(1) ノベルティカード

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以下の名刺は通常よりも高価なものだが、それだけクライアントに与える影響には価値がある。このようなノベルティカードは従来の名刺とは異なり、確実に目立たせることができる。それに、人はこうした変わったものを周りの人達に見せたがるため、ある種のパブリシティとして効果をもたらすことができる。

iPhoneを模した名刺

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飛び出す仕掛けのある絵本のようなポップアップ名刺

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折りたたむと二次元の名刺から三次元に変形する名刺

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(2) ノスタルジア

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名刺を使ってその場でマジックをすると、人々はそれをずっと持っておきたいと考える。これはノベルティカードに比べて、はるかに簡単にできることでありながら、クライアントには同じくらい多大な影響を与えることができる。
なお、名刺を使ってマジックを行う際には名刺の裏の空白を残しておくと、よりマジックとして使いやすくなる。そして、そうしたマジックの世界はごまんとある。(ちなみに、名刺の裏にトランプのバックデザインを印刷することで、相手に名刺をフォースさせることもできる)

9. テクノロジーを取り入れる

マジシャンたちは常に現代技術に寄り添って発展してきた。無論、名刺においても、それは同じことだ。

(1) QRコード

QRコードとは、基本的にスキャンしたときにウェブサイトやビデオを読み込むなどの電子バーコードのことをいう。周りを見ると、巷には案外QRコードが浸透していることがわかる。逆にQRスキャナーのないスマホを見つける方が難しいだろう。

これを使えば、相手のスマホに自分のウェブサイトを載せることができる。こうしたユーティリティのアプローチからいえば、QRコードに自分のトリックをビデオとして埋め込むことができるといえるだろう。

(2) 拡張現実

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この技術は数年前から日本でもお菓子の玩具にも取り入れられた過去がある。日本でも個人向けに同様のサービスを提供しており、自身の名刺でも同じような3Dホログラムをスマホの中に映し出すことができる。ほとんどの場合、こうした拡張現実を採用した名刺は普及していないため、クライアントに新奇性を与え続けることができるのではないだろうか。

最後に、ほとんどの印刷会社は比較的安価な価格で、かつ小ロットで名刺の作成を提供している。最終的な結果が気に入らなくても、高いリスクを追うこともない。実験と称し、何度でもチャレンジし、自分にとって最高の名刺を作り上げてほしい。

以下のリンクは無料で簡単に名刺やメッセージカードのデザインを作成できるウェブサービス「Canva」だ。まだ日本語に対応していないものの、日本語が打ち込めないというわけでもない。加えて、日本語で紹介されたページはいくつもあり、それなりに知られているサービスでもある。ぜひ一度、試してみてほしい。
https://www.canva.com/

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