ダレン・ブラウンの趣味の1つに「人物画を描くこと」というのがある。それも、その多くは対象となる人物の性格や顔の特徴を誇張させたカリカチュアと呼ばれるジャンル。つい2ヶ月ほど前もその最新作をツイッター上に公開。もちろん、モデルはあのドナルド・トランプだ。
Finished Whatsisname, by the way. pic.twitter.com/xKTI7lQeAe
— Derren Brown (@DerrenBrown) February 5, 2017
また、舞台「Svengali」では、その才能を如何なく発揮させた演目すらある。
動画では、まず複数の観客たちに誰もが知る有名人の名前を紙に書いてもらう。次に、その中から別の観客(=メガネの中年男性)が1枚の紙を選び取る。それからダレンは中年男性の筋肉の動きを読み取ってみせた後、これからこの技術の使って、観客が誰の顔を思い描いているかを絵にしてみせるというストーリー。
(ちなみに、これは私の最もお気に入りのシーン。英語が全くわからずとも、観衆とともに同じ興奮を味わうことができるはずだ。ぜひとも最後まで見てみてほしい)
さて、話を喪に戻して、通常、カリカチュアというのは風刺画として用いられるものだが、これを主にマジシャンをメインに描き続ける猛者がいる。
その人物こそ、スペインのマジシャン、ホアン・ルイス・ルビアレス(Juan Luis Rubiales)だ。
昨年12月、Essential Magic Collectionsシリーズにて「オーレ!」を出したことで、日本でも知られてきている人物。
これまでに描いたマジシャンの人数は50人を軽く超えていて(やはりスペイン語圏の人が多い印象だが)、現在も定期的にSNSにアップし、見る人をニヤつかせている。
特に最近の人物画はそれまでの写実性の高いイラストから、より一層ふてぶてしさを際立たせてきているのも注目したい。
それでは、そんな彼の作品を一部列挙してみよう。
右:セオドア・アンネマン
左:マックス・メイビン
ペン&テラー
ホアン・タマリッツ
左側の絵もルビアレスが書いたもの。それを鏡のようにして見せるなんて、なんとタマリッツらしいことか。
桂川 新平
ダイ・ヴァーノン
ルビアレスには珍しいアイデア作品。左側が晩年の、右側が若かりし頃のヴァーノンとなっている。
ジョン・カーニー
ルビアレスの人物画はジョン・カーニーのダウンロード商品「John Carey’s 5 Professional Routines」のパッケージにも採用されている。
左:アルフレッド・ヒッチコック
右:ジョシュア・ジェイ
この2人の夢の競演を演出した所以はおそらくジョシュア・ジェイの作品の中に「Hitchcock」というタイトルがあるからではないかと推測される。
ジェイミー・イアン・スイス
ダニ・ダオルティス
このほか、興味がある人はルビアレスのツイッター、もしくはインスタグラムを覗いてみることをオススメする。きっと一人で物思いにふけっては「この人は誰だ?ゲーム」を敢行してみたくなるはずだ。
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