2016年8月19日、25年続いたマジック雑誌「MAGIC Magazine」が衝撃の廃刊を迎えた。その後、「MAGIC LEGACY」として、よりクローズドな体制へ移行すべく、同年11月にリニューアルすることが発表されたものの、その翌月には刊行の中止が発表された。結論からいえば、「MAGIC Magazine」は廃刊したのだ。
これまで日本でもマジックショップ「フェザータッチ」を通して、月別に気軽に手に入れることができたわけだが、これによってマジック雑誌購読の選択肢が1つ奪われる形となった。しかしながら、海外には何もマジック雑誌が「MAGIC Magazine」と「Genii」の2冊しか存在しないわけではなく、同じくらいの高いクオリティを保ったマジック雑誌はいくつかある。
そのうちの1つである電子版マジック雑誌「VANISH」はなんと無料で読めるのだから、これほど嬉しいことはない!
VANISH International Magic Magazine
http://www.vanishmagic.com/
「VANISH」とは、2ヶ月に1度発行される隔月誌として、2012年にニュージーランド出身のマジシャン、Paul Romhany によって刊行された無料の電子版雑誌である。毎号150ページを超えるボリュームに加え、パラパラと眺めているだけでも飽きない洗練されたデザインは、かの「MAGIC Magazine」に勝るとも劣らない。
「VANISH」の最大の特長は紙媒体にはない電子版特有の仕掛けが所々に施されていることだ。例えば、通常のマジック雑誌では、トリックの解説には文章や画像のみ説明されるが、「VANISH」の場合、ページの中に動画が埋め込まれており、紙媒体よりも理解にかける時間が違う。
このほか、プラウザ上でページをめくっていると、広告のページなどが瞬間的に点滅することがある。これはそこに埋め込みリンクがあることを示しており、クリックすると、広告元のサイトへジャンプできる仕掛けとなっている。
基本的に「VANISH」は無料電子雑誌を謳っているが、すべてが無料というわけではない。確かに、最新号は自由に閲覧及びダウンロードすることができる。
だが、この赤く囲った部分、言い換えれば、トップページに表れていない過去の雑誌は有料となっている。そのため、早めにダウンロードしておくべきだろう。
(前号はなぜか既に有料化されており、変に放置しておかない方がいい)
過去のバックナンバーはページ上部の「Back Issues」で閲覧できるものの、それも最初の10ページのみで、全ページの閲覧やダウンロードには1冊あたり1.90ドルかかってしまう。手続きが面倒な方は、マジックショップ「ストリートマジシャン」を薦めたい。ここでは、「VANISH」のバックナンバーを1年分ずつ取り扱っており、セットで税別1070円で販売されている。
ちなみに、2016年9月4日のVANISHのツイッターによれば、2017年1月から月刊誌になる予定だそうだ。
VANISH MAGIC MAGAZINE going to be produced monthly starting Jan 2017
— VANISH MAGIC MAG (@VANISHMAG) September 3, 2016